一般エンタメのノンジャンル新人賞が減っている!?
一般エンタメ(ノンジャンル)の賞が減ってませんか?σ(^◇^;)
賞のチェックをしていたら、ノンジャンルの一般エンタメ新人賞が減っているように思います。そして、ノンジャンルがミステリーに看板を付け替えるケースが2つも発生。
小学館文庫小説賞 2002-2019年 → 警察小説大賞 → 警察小説新人賞
暮らしの小説大賞 2013-2020年 → 黒猫ミステリー賞
さらに、オール讀物新人賞が歴史・時代小説に特化してしまいました。短編のノンジャンルで応募総数も凄かったんですが、さて今後どうなりますことやら。
ノンジャンルの新人賞が減っている?
多すぎただけという可能性もあるのですが、印象としてはノンジャンルの新人賞よりも、ミステリーのほうが数が多くなってきたかんじですね。ちょっと驚いています。
ちなみに、私が把握している新人賞は以下の通り。すでにミステリーのほうが多いです。
応募総数を考える
2022年7月の最新の応募総数は次の通り。各賞2021年から2022年にかけて受賞作が発表されています。
第68回江戸川乱歩賞 | 講談社 | 385編 |
第20回『このミス』大賞 | 宝島社 | 468編 |
第34回小説すばる新人賞 | 集英社 | 1345編 |
第16回小説現代長編新人賞 | 講談社 | 966編 |
単純に考えても、ノンジャンルの投稿者のほうがおよそ3倍は多いはずです。ミステリーは乱歩賞とこのミス大賞が突出していますが、それ以外はおよそ200前後といったところなので、潜在的な投稿者はノンジャンルのほうがかなり多いと考えられます。
なぜノンジャンルが減った?
すべて想像でしかないのですが……
ミステリーのほうが売れる と出版社が考えた
投稿者が少ないというのは、「ミステリーのネタを考えつく人」「ミステリーが書ける人」が少ないということになります。ミステリーの書き手を確保しておきたいという編集が多いのではと考えています。
(ミステリーと呼んでいいのか迷いますが)『同志少女よ、敵を撃て』の逢坂さんがデビュー作で本屋大賞。ほかにも、鮎川賞の今村さん(『屍人荘の殺人』)はデビュー作のシリーズで100万部突破。このミス大賞からは新川帆立さん。デビュー作の『元彼の遺言状』は月9ドラマとなり、快進撃は続く模様。
私が知らないだけかもしれませが、ここ最近はミステリーの新人賞から出てきた作家の活躍が目立ちます。
出版社が「とりあえずミステリーのほうが新人でも当たるとデカい」と考えるのもわかるかも?
特化型のほうが売れる と出版社が考えた
小学館は日本おいしい小説大賞も立ち上げています。3回で終わったにせよ、食にまつわる特化型の賞で、最終候補作もどんどん書籍化するなど狙いはひじょうにわかりやすかったです。
また、ノンジャンル出身の作家さんに注目しても、歴史小説・時代小説を書ける方の活躍が目立っています。
デビュー2作目で直木賞を取ったのが、川越宗一さん(『熱源』)です。また、今村翔吾さんも直木賞まで早かった印象ですが、この人も歴史小説・時代小説の書き手です。
そのせいか、オール讀物新人賞は101回から歴史時代小説分野に特化しました。
出版社は明確な武器を持つ新人を欲している
これらの傾向から、「出版社・編集者はこれという武器を持つ作家を探している」んだと予想しています。
ノンジャンルの新人賞へ応募する際には、自分の武器が明確になっているかを見直して見てはいかがでしょう?
ノンジャンルというのは、どんな内容でもOKなのです。いろんな作品が集まるでしょう。同時に、流行りに乗った似たテーマの作品も多いでしょう。そこで目立つにはどうすればいいのか。自分は他よりも尖った武器を持っているのか。よく考えて見ることが大切だと思います。