小説家になる方法2 どこを狙って書くべきか!
作家になる方法1では、新人賞やオンノベなど、どこからデビューできるのかについて簡単に説明しました。
では、どこを狙うべきか! それについて、管理人が思うことを次の4点に絞って、つらつらと書いていきたいと思います。
一般文芸
出版社主催の新人賞への応募が一番だと思います。オンラインノベルから出版されるケースは少ないです。
2018年、文春文庫×エブリスタによる「バディ小説大賞」が行われていました。しかし、確約されているのは電子書籍化のみで、編集さんからアドバイスをいただくなどの特典はあっても、書籍デビューできるかはわかりません。
まだまだオンノベからの一般文芸デビューは難しいのが実情です。
そもそも、一般文芸の読者がオンノベにほとんどいない。いたとしても、一般文芸からキャラ文芸(ライト文芸)、ライトノベルまで読む読者がほとんどです。オンノベで盛り上がっているのは、キャラ文芸やライトノベルです。わざわざ一般文芸ジャンルに手を出す必要はないだと思います。
そもそも、オンノベに載せるメリットが少ないです。
・読者がつきにくい
・オンノベをバックアップしている編集部に一般文芸が少ない
オンノベでは、「読みやすさ」と「分かりやすさ」、「流行り」が重視されます。そこを重視した物語は、キャラ文芸になってしまいます。一般文芸でありながら、ライトで、でもキャラ文芸でもないという、スキマを狙うのはとても難しいです。
ほかにも、一般文芸は新人賞をとったほうがいいと思い理由があります。というのも、ライトノベルと違って・・・・・・
・シリーズ化がされにくい
・年に4冊以上、出版している作家はめったにいない
したがって、
・新人賞を取り「賞金」と「新人賞受賞の帯」を頂戴する
・図書館が仕入れやすい形で出版される
作家としてやっていくために、この2点は必須だと思います。
図書館の購入数は無視できません。数万部、数十万部を売る作家さんを別にすると、図書館の購入数は大きいのです。
一般的な図書館だけでも3000を超えます。大学、高校の図書館まで加えると、3倍以上になるはずです(大学図書館1600+高校の数4900)。トータルすると1万近い数字です。
1万冊が売れるとはいいませんが、数千部が確定で売れるのは大きいです。図書館は文庫落ちを待たず、ハードカバーをしっかり入れてくれます。
また、受賞作は本屋さんも押しやすいのです。新人賞受賞の帯があればそれなりに売れるそうです。
純文学
本を出したい方、そして書き続けたい方は、出版社主催の、できれば「雑誌」を持った新人賞を掴みましょう。
といっても、純文学系の受賞者は、芥川賞にノミネートされるとか、なにがしかで話題にならなければ、かなり厳しいです。ですが、純文学系の新人賞受賞作は、芥川賞にノミネートされやすいのも確かです。
そもそも、純文学が売れないのは周知のこと。
芥川賞を取るか取らないか、かなり大きな違いがあります。
受賞すれば一気に売れますし、有名になり、チャンスが広がります。同時に書籍化も!
ただ、継続して売れる純文学作家というのは、あまり聞きません。エンタメ小説、またはその境界へとシフトチェンジしていく作家さんも多いと思います(純文学とエンタメの境目があやふやだからこそですが)。山田詠美さんや島本理生さんも純文学出身です。
とにかく、純文学作家は「芥川賞」または「三島賞」を目指しましょう。女優やタレントなどの有名人でないかぎり、まずは雑誌を持った新人賞を受賞し、「芥川賞」を取ることが最良の道だと思います。
一般文芸以上に、オンノベでは読者がつきません。オンノベからデビューはあきらめたほうがいいと思います。
ライトノベル(文庫・四六版)
新人賞でも、オンノベでも構いません。どこにだってデビューのチャンスがあります。それを掴み取りにいきましょう!
新人賞に関しては、とくに説明する必要はないかと思います。公募要項を守って作品を書き、応募してください。流行りを追いかけるより、「新しさ」「勢い」で勝負です。
問題はオンノベでしょう。
「なろう系」という言葉が流行ったように、なろうサイトを中心に、たくさんの作家がデビューし、巻数を重ね、アニメ化しています。ただ、最近はその勢いも小さくなってきました。
なろう系のビッグタイトルが一気に書籍化してしまったからだと思います(刈り尽されたとも言われています)。
オンノベに作品を掲載したら、オンノベ主催の新人賞に応募しましょう。編集者の目に留まるチャンスです。
また、スカウトを目指すのであれば、ランキングや総合評価が高いものに読者がつきます。上位を目指してがんばりましょう。ただし、オンノベには「流行り」があります。「流行り」でなければ上位に入ることは難しいですし、大量の「流行り」の中で上位に浮上することも難しいです。
「流行り」をおいつつ、「新しさ」をプラスしていくことが重要です。
なろうから書籍化された『オーバーロード』はそのあたりが上手いです。「ゲームに取り残される」「異世界」とよく見かけるキーワードながら、「新しさ」が加わっています。たとえば「主人公の見た目」「主人公の立ち位置」「人間くささ」「妙なリアリティ」などなど。「新しさ」がものすごい魅力になっているのです。主人公は「魔王」。アンチヒーローもので、ゲーム世界に転移後、「世界征服」を目指して主人公が突き進みます。
もちろん、設定を活かしたストーリー展開も面白い。若い世代だけでなく、上の世代も取り込んでいます。
2018年7月、シリーズ累計発行数760万部突破。シリーズは10冊を超えましたが、さらに人気が増しています。
大長編が得意な人はオンノベを主戦場にしてもいいかもしれません。どんどん掲載していきましょう。読者がつき、編集者の目にとまれば、一気に人気が出る可能性もあります。ライトノベル作者は、シリーズ刊行ができることが重要です。オンノベでしっかりシリーズ連載ができていれば、評価を得ることができると思います。
キャラ文芸/ライト文芸
新人賞でも、オンノベでも構いません。積極的に投稿していきましょう。
ただ、個人的にはキャラ・ライト文芸系の新人賞を取った方がいいと思っています。オンノベ投稿し、そこから応募できる、キャラノベ特化の新人賞はオススメです。二兎追えると思います!
とくにオススメなのは、『角川キャラクター小説大賞』『富士見ノベル大賞』です。その次が、『ノベル大賞』でしょうか。コバルトの影響か、ノベル大賞は、10代から20代の女性を意識した作品が多いように思います。コバルトの現代版(お仕事小説、恋愛小説、ちょっと不思議な小説)といった印象です。
オンノベだけをあまりオススメしないのには理由があります。
・レーベルカラーの強いところが多い
・レーベルが欲しがっているのは「流行り」もの
・シリーズ化するか不透明(つまり1冊限定で終わる)
・オンノベだけを主戦場にするなら、オンノベで人気シリーズになっている必要がある。
売れたらシリーズ化します。ただし、レーベルが押し出しているのは、「流行り」もののジャンル。すでに売れ筋シリーズが出ているジャンルです。ここで上位に食い込み、売れるのは、難しいです。しかも、似たようなキャラクター小説が出ています。というより、キャラノベ自体が「流行り」を大量に刊行するジャンルなのです。
チェックが追いつかないほどに刊行されているキャラ文芸・ライト文芸ですが、だからこそ難しいジャンルだと理解してください。
新人賞を取ると、それだけで注目されます。シリーズ化されれば、本屋さん、読者さんの目にもとまります。オンノベからの書籍化も多い分野ですが、個人的には新人賞を取って、バックアップ態勢の整った中から出て行くことがベストだと思います。
ライトノベルと違って、オンノベ連載で大量の読者がついたり(ラノベより分散しがちな印象)、アニメ化はしにくいかなぁと思います。