高校生にオススメ 切ない恋愛小説5選【朝読書】
恋愛小説といっても、ひねりのある作品を選びました。
恋愛小説に、ミステリ、ファンタジー、SFがプラスされた、続きが気になる作品ばかりです。
私が大好きな小説家を殺すまで 斜線堂有紀さん
突如失踪した人気小説家・遙川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった一人の少女の存在があった。遙川悠真の小説を愛する少女・幕居梓は、偶然彼に命を救われたことから奇妙な共生関係を結ぶことになる。しかし、遙川が小説を書けなくなったことで二人の関係は一変する。梓は遙川を救うため彼のゴーストライターになることを決意するが…。才能を失った天才小説家と彼を救いたかった少女―なぜ彼女は最愛の人を殺さなければならなかったのか?
切なくてやるせない恋愛小説。なぜ、「彼女は最愛の人を殺さなければならなかったのか」。その答えを探しながら、二人の出会いとそれからが描かれていきます。
どちらが殺したのか?
どうして殺したのか?
帯に描かれた謎も気になりますが、歪な二人の恋愛小説として読んでください。
君を愛したひとりの僕へ 乙野四方字さん
人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界―両親の離婚を経て父親と暮らす日高暦は、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞という少女に出会う。たがいにほのかな恋心をを抱くふたりだったが、親同士の再婚話がすべてを一変させた。もう結ばれないと思い込んだ暦と栞は、兄妹にならない世界へ跳ぼうとするが…彼女がいない世界に意味はなかった。
『僕が愛したすべての君へ』と2巻1セットの構成。
同じ世界観で描かれた2作は、コインの裏と表のように重なっています。
人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された時代―両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦は、地元の進学校に入学した。勉強一色の雰囲気と元からの不器用さで友人をつくれない暦だが、突然クラスメイトの瀧川和音に声をかけられる。彼女は85番目の世界から移動してきており、そこでの暦と和音は恋人同士だというのだが…並行世界の自分は自分なのか?
ハッピーエンドで終わるか、悲恋で終わるか。
どちらから読むかで感想さえも変わってしまうような本作。
仕掛けられた繋がり、世界設定の使い方、いろんな意味で新しい作品です。SFとしても、仕掛け小説としても、そして恋愛小説としても楽しい。
ストーリーの流れとしては、『君を愛したひとりの僕へ』(ピンク)を先に読むのが正しい順番だと思います。物語としてうまく収束するので。また切ないけれどハッピーエンドとして読めます。
とはいっても、『僕が愛したすべての君へ』(黄色)から『君を愛したひとりの僕へ』(ピンク)もおすすめです。『僕が愛したすべての君へ』(黄色)のラストは謎をはらんで終わるので、それを解き明かすために『君を愛したひとりの僕へ』(ピンク)を読むといった形になります。
ちなみに、恋愛小説としておもしろかったのは、『僕が愛したすべての君へ』(黄色)です。個人的には、片方だけ読むなら『僕が愛したすべての君へ』(黄色)をおすすめします。
青い月の夜、もう一度彼女に恋をする 広瀬未衣さん
ひとつきに二度、満月が見られるブルームーンの8月。17歳の僕は京都の嵐山にある祖母の家に帰省した。一度目の満月の夜、僕は森の中で、傘で泉の水をすくう少女と出会う。「ブルームーンが終わるまで、ここで初恋の人を待っている」と言う彼女。同い年なのにどこか不思議な彼女や、彼女と歩いた夜の京都に違和感を覚えながらも、僕は彼女に惹かれていくが―「ずっと君を、未来で待っている」運命の糸で結ばれた2人を描く、時空を超えた恋愛小説。
「京都恋愛ファンタジー・シリーズ」の第1作。
ただし、「京都」「ファンタジー」「恋愛小説」などのキーワードが同じだけで、独立して読めます。どれから読んでもOKですが、『青い月の夜、もう一度彼女に恋をする』から読むのがおすすめです。
第2作『君に出会えた4%の奇跡』、第3作『それは桜のような恋だった』も、切ない小説です。個人的には、『それは桜のような恋だった』が一番切ない作品だったと思います。
『後宮の烏』シリーズ 白川紺子さん
後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという――。時の皇帝・高峻は、ある依頼のため烏妃の元を訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す禁忌になると知らずに。
表紙絵が印象的な本作、短編集なので読みやすいです。
現代ものばかりなので、ファンタジーを一冊選んでみました。短編ごとに小さな謎を解き明かしながら、皇帝と烏妃の切ない関係が描かれていきます。恋愛要素は薄いですが、想い合うことが許されない関係にドキドキします。
この恋は世界でいちばん美しい雨 宇山佳佑さん
事故で死に瀕した恋人同士の誠と日菜は、二人で二十年の余命を授かり生き返る。しかしそれは互いの命を奪い合う、切なすぎる日々のはじまりだった 。この恋の結末に、涙せずにはいられない。胸打つ長編小説。
『桜のような僕の恋人』の著者が描く切ないファンタジー。
命を奪い合うといっても、幸福を感じると命が一年延び、相手が一年短くなるという、かなり切ない設定です。互いに思い合っているため、愛情一杯だった日々がぎくしゃくしはじめます。幸せを感じることが相手の命を短くするとしたら、幸せになることは難しいはず。
二人が選択する結末は……。






