一般文芸で大活躍! BL小説家に注目!

BLというのはボーイズラブの略称です。男性同士の恋愛を描いた小説で、とても人気のジャンルなんですね。
過去には三浦しおん先生がBLを激推ししていたので知ってはいたんですが、あまり注目してはいなかった。

が、この数年、BL作家が一般文芸・キャラ文芸の世界で大活躍しています。注目です!

注目の作品・作家

一穂ミチさん

第165回直木賞候補となったことで、一気に注目を浴びました。すごく目立つネタを扱っているわけでもなく、ノミネートになるまで作品名しか知らなかったです。表紙を見て、本屋で見たことあるなと思ったくらい。調べてみて、人気のBL作家だと知りました。

本屋大賞にもノミネートされ、一気に名前が知れました。今後要注目の作家だと思われます。

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。

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BL作品の代表作はこちらあたりでしょうか。

人気若手アナウンサーの国江田計は極端な二重人格。 王子と称される完璧な外面と、「愚民め」が(心の)口癖の強烈すぎる裏の顔を持っている。もちろん誰にも秘密だ。そんなある日、取材で知り合ったアニメーション作家の都築潮と、オフモードの時に遭遇してしまう。 幸い都築は、くたびれたジャージにマスクの男があの国江田計とは気づかない。 けれど怪我をした都築の仕事を、計はしばらく手伝う羽目になり……?

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凪良ゆうさん

第17回本屋大賞を受賞し、一躍注目を浴びました。

自分は『流浪の月』が今一つあわず、その後を追いかけてなかったり。二人が出会う前まで(って分量的にはかなり少ないか)は、「すごいい!」と思いながら読んでたんですけどね。ただ、ラストまで読んで、「これ、はまる人ははまるだろうな」と思いました。

また、ライト文芸やウェブ小説でよく見る、主人公が辛い境遇→報われる的な構図になっているといってもいいでしょうか。読者の同情・共感票を稼ぐヒロインとヒーローなので、どっぷりとはまれる作品です!

2021年冬には、BL作品がドラマ化されました。

凪良ゆうさんにかぎらず、今後、BL作品からのドラマ化・映画化は増えそうな雰囲気がありますね。

「キモがられても、ウザがられても、死ぬほど君が好きだ」無口で友達もいない、クラス最底辺の高校生・平良(ひら)。そんな彼が一目で恋に堕ちたのは、人気者の清居(きよい)だ。誰ともつるまず平等に冷酷で、クラスの頂点に君臨する王(キング)――。自分の気配に気づいてくれればいいと、昼食の調達に使いっ走りと清居に中誠を尽くす平良だけど!? 絶対君主への信仰が、欲望に堕ちる時――スクールカーストLOVE!!

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榎田ユウリさん

ライト文芸分野で大人気の作家ですが、榎田尤利(ゆうり)という同じ読みの別名義でBL小説を書いています。ミステリーやホラーも得意とされている作家です。デビューはBL作品ですが、最近はライト文芸作品ばかり?

ライト文芸では、『宮廷神官物語』、『カブキブ!』、『妖奇庵夜話』などが代表作。2018年の『この春、とうに死んでるあなたを探して』は一般文芸でしょう。これからさらに注目される可能性があります。

妻と別れ仕事にも疲れた矢口弼は、かつて中学時代を過ごした雨森町に戻り、23年ぶりに元同級生の小日向と再会する。まるで中学時代から成長していないかのような、騒々しい小日向に振り回されつつ新生活になじんでいく矢口。

そこへ舞い込んだ恩師の死をめぐる謎……。果たして先生の死は事故だったのか、それとも生徒からのいじめを苦にした自殺か?真相を求めて矢口と小日向は各地の元同級生を訪ねるが――。

人は喪失し、絶望し、それでもまた出会う。ミステリーも、大人の青春も、人の温かさもすべて詰まった心に迫る希望の物語。

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突如発見された妖怪のDNA。それを持つものを「妖人」と呼ぶ。お茶室「妖〓(き)庵」の主である洗足伊織は、明晰な頭脳を持つ隻眼の美青年。口が悪くてヒネクレ気味だが、人間に溶け込んで暮らす「妖人」を見抜く力を持つ。その力のせいで、伊織のもとには厄介な依頼が絶えない。今日のお客は、警視庁妖人対策本部、略して“Y対”の、やたら乙女な新人刑事、脇坂。彼に「油取り」という妖怪が絡む、女子大生殺人事件の捜査協力を依頼された伊織は…。

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妖奇庵夜話のシリーズ順序は次の通り。

  1. 妖琦庵夜話 その探偵、人にあらず
  2. 妖琦庵夜話 空蝉の少年
  3. 妖琦庵夜話 人魚を喰らう者
  4. 妖琦庵夜話 魔女の鳥籠
  5. 妖琦庵夜話 グッドナイトベイビー
  6. 妖琦庵夜話 花闇の来訪者
  7. 妖琦庵夜話 誰が麒麟を鳴かせるか
  8. 妖琦庵夜話 顔のない鵺

BL作品もシリーズが多いようで、このあたりが有名な様子。

「あんたは……俺のオンナにふさわしい」

元検事で元弁護士、そのうえ美貌と才能まで持ち合わせた男、芽吹章は、暴力・脅迫・強制、このみっつが反吐が出るほど大嫌いだ。弱き立場の人を救うため、国際紛争と嫁姑問題以外はなんでもござれの交渉人として、「芽吹ネゴオフィス」を経営している。そんなある日、芽吹の前にひとりの男が現れた。しかもヤクザになって!! 兵頭寿悦……できることなら、二度と会いたくない男だった……!

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まとめ

今後も、BL作家が一般文芸を書くケースが増えそうな気がします。もともと、一般文芸でありながら、BL風の作品を書く長野まゆみさんが人気を博すなど、親和性は高いんだろうと思われます。

腐女子(貴腐人)という言葉が一般的に使われるようなり、BLジャンルはどんどんと一般に浸透しているようです。自分が学生の頃は、一部の女子がこっそり回す感じでした(自分のところには回ってこなかった……。回ってきたからといって、読んでいたかはわかりませんが。当時はファンタジー系の少女小説にはまっていた)。

次にきそうな作家で名前が挙がってくるのが、木原音瀬さん。すでに一般文芸書がありますよ。