サッカーがうまくなりたい人におすすめのマンガ! ベスト3

2019年12月16日

サッカーを学んで上手くなりたい!
けど、勉強するならマンガがいい!

という人に贈る、おすすめサッカーマンガベスト3。

サッカーマンガってたくさんありますし、最近はよりリアルな戦術、試合展開の作品が増えてきています。さて、なかでも最近注目しているのが「フットボールネーション」です。サッカーマンガとして読むなら、もっと面白いマンガがあるかもしれません。ですが、「わかっているけどできない理由」が明確に書かれている本を読んだのははじめてです。
では、サッカーマンガの中でも、「学べる」比率が高いと思う作品を3つご紹介します!

『フットボールネーション』 大武ユキさん

掲載誌:ビッグコミックスペリオール
連載開始:2010年~
既刊14巻(2019年10月30日現在)

サッカー雑誌の女性カメラマン・緒形は、ある時、アマチーム「東京クルセイド」の取材を命じられる。そのチームの選手応募要項は「脚のきれいな選手求む!」・・・ふざけたチームだと、しぶしぶ河川敷に出かけた緒形だったが、そのチームとは別に、ある才能に出会う!
河川敷を根城に、草サッカーチームの助っ人をしている“ジョーカー”こと沖千尋だった。

「脚のきれいな選手求む!」

東京都社会人3部のアマチーム「東京クルセイド」が天皇杯の優勝を目指すというストーリー。ボランチの沖千尋を中心に、「東京クルセイド」が快進撃を見せます。
いろいろ突っ込みどころが満載なのですが、筋肉の使い方の問題(歩き方や姿勢)とか、ディフェンダーの体の使い方とか、ゴールキーパー問題とか、足の指の問題とか、勉強になるなと思う部分がものすごくあります。これまでのマンガだと、「スペースを見つける」「判断が速い」などの強みは、だいたい「才能」で片付けられてきた気がします。が、これについて(沖がチート過ぎますが)ちゃんと解説されていることにびっくり。マンガにしては文字が多いですが、丁寧に説明されているのがいいです。

あまりにも物事が簡単に進むし、主人公はちょっとサイコだし、なにより試合の描写が物足りなく、キャラクターもちょっとあれなんですが(だんだんはまってきます。個人的には相手チームの綿貫さんが妙なリアリティがあって好きです)。サッカーマンガとしてすごく面白いわけではないですよ。ただ、欧州のサッカースタイルを目指し、筋肉から改造するというストーリーはたいへん意欲的で、目新しいです。サッカーマンガを楽しみつつ、サッカー(とくに体の使い方)を学ぶマンガとしておすすめです。

実は、お勉強部分には「?」という点もあり、おすすめしていいものか迷っていたのですが、それ以上に内容が分かりやすく書かれている点や新しい視点の部分も多く、おすすめNo1です。個人的には、「インナーマッスル」至上主義で、「アウターマッスル」を嫌っているところが一番の問題かなと思っています。あまりにも極論が多いように思うのです。要はバランスの問題なのですが、1巻~4巻くらいまでは、受け入れられない部分も多かったです。
個人的には、「インナーマッスル」という言葉はマスコミ用語だと思っているので、この言葉が出てくると「むむむ……」となります。

13巻で遠藤航選手、14巻で松井大輔選手(対談付)の推薦があったことも大きいです。お二人も、マンガとしておもしろい!というよりも、ためになるという推薦書。

遠藤航選手、推薦!
「海外選手より身体能力で劣る日本人が、世界で頭を使い戦い抜く為に読まなければいけない一冊であり、僕自身も勉強になりました。」

松井大輔選手、感嘆!
「海外に出てプレーしてみて初めて肌感覚で分かる事が、日本で漫画で読めて理解出来るというこの幸せ。自分ももっと若い頃にこの一冊に出逢いたかった! 保護者や指導者の皆さんも、必読です。」

個人的に、一番引っかかったのは途中で出てくる某Jユースチームの設定でしょうか。いったいいつの時代の話なのだろう?と思わないこともない(今でもそうなの? でも、高校の部活だって足下をじっと見ろなんて指導してなかった!)。また、科学指導に高岡英夫さんがついているため、「インナーマッスル」が連呼され、過大広告されているように感じます。
そのあたりをさらりと流せば、「確かに欧州の選手ってそうだよね」と思う部分もあって、勉強になると思います。

『アオアシ』小林有吾さん

原案・取材: 上野 直彦
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
連載開始:2015年~
既刊18巻(2019年10月30日現在)

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに――
そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?

Jリーグの下部組織、Jユースに焦点をあてた作品。少年世代を描いたサッカー漫画としては、私のイチオシです。原石である主人公アシトが、ユースチームで磨かれていく様が描かれています。ユースが舞台となり新しい一面(プロ予備軍として厳しい世界です)も描かれますが、主人公の造形やストーリー展開は「王道の少年マンガ」的。挫折しながら、仲間とともに上を目指すという作品です。主人公がチートすぎないところもいいです。

「アオアシ」はリアルな現代的サッカーを繰り広げます。試合の中で個人がどう動くべきかが丁寧に描かれているのがいい! 個々の動きで、試合展開が大きく変わるところが描かれています。個人の動きが、連携を生み出し、試合が動くという流れがとても分かりやすいです。
また、少年たちの挫折や決意などの心理描写、実力や才能というタレントがなければ報われない厳しさなどが、巧みに描き出されていてマンガに引き込まれていきます。

本作を2番手で出してきたのは、作品に使われている戦術が新しいこと。先端の戦術が描かれていて勉強になります。人間ドラマに大きくページを割いているので、フットボールネーションのようなお勉強マンガとは違います。サッカーマンガとしてもおすすめの一作です。

『GIANT KILLING』ツジトモさん

原作(原案):綱本将也さん
掲載誌:モーニング
連載開始:2007年~
既刊53巻(2019年10月30日現在)

達海猛35歳、職業サッカー監督。今季より弱小プロサッカークラブ『イースト・トウキョウ・ユナイテッド』の監督に就任する。現役時代も監督になってからも、好物は「番狂わせの大物喰い=ジャイアント・キリング」!

サッカーマンガとして最高に面白いです!(最近、ちょっと飽きてきましたが……ごめんなさい)。

監督が主人公のため、「戦術」がめちゃくちゃ出てきます。そして分かりやすい。絵や構図でうまく見せてくれるので、するっと頭に入ります。ツジトモさんの絵がちょっと個性的なので、苦手な方もいらっしゃるかもしれません(私もそうでした)。が、読み始めるとその画力にはまります。サッカーの描写が本当にかっこいい! この方が描かれているからこそ、「戦術」を分かりやすく学べるのだと思います。「戦術」が大事っていうけれど、実はよくわからないという人は、この作品がおすすめです。

また、Jリーグに関わる全てを描こうとしているので、いろんな側面から「プロサッカー」を見れるのも醍醐味。Jリーグや日本代表を見る目が変わってくるかもしれません。
とにかく、サッカーマンガとして面白く、中・高校生だけではなく、大人に人気の作品となっています。現時点で既刊53巻。ちょっと長くなりすぎた気もしますが、ところどころ区切りがあるので、そこまで読んでみるのもいいかもしれません。

おわりに

私はスポーツを題材にしたマンガが好きです。最近は、バレーなら「ハイキュー」、サッカーなら「アオアシ」にはまっています。サッカーマンガだけでもけっこう読んでいて、おすすめベスト3以外にも、「キャプテン翼」「シュート」「DAYS」「エリアの騎士」「BE BLUES!~青になれ~」などなど。どれもポジションとか、戦術とか、スポーツやる上での大事なこととか、何かを学ぶことができました。
でも、最近のサッカーマンガは非常にリアルで、マンガでいろんなことが学べ、サッカーを見るのがさらに楽しくなりました。

サッカーに関していえば、現実がマンガを超えてしまった印象さえあります。久保選手とか、昔はあんなキャラクターがいたら「ありえない!」と一蹴されていたんじゃないかと。

すごい選手を見るたび、なにが違うんだろう?と思ってきました。今回おすすめした3つには、そのリアルな答えがある気がしています!
とくに『フットボールネーション』は、(全部鵜呑みにはできないけれど)目から鱗の知識が多数で、とてもためになりました。