ミステリ系 小説新人賞 2021-2022

2020年11月7日

出版社枚数賞金
1/31江戸川乱歩賞講談社350~550枚500万
 おそらく、ミステリ系で1番有名な賞です。とても良質のミステリばかりですが、少し古くてお堅い印象がありました。ところが、近年はそのイメージから脱却。第61回の受賞作「JQKQJ」は、本当に乱歩賞なのかと驚いたほど。 加点法というより、減点法といわれるほど、文章、ストーリー、人物などすべてに高いレベルが求められるという噂。
2/末アガサ・クリスティー賞早川書房300~800枚100万円
 乱歩賞と同じ締切日でしたが、第10回より1月遅くなりました。今ひとつ盛り上がりに欠けています。受賞作はバラエティ豊か。軽い作風から、これはミステリなのかという作品も。突き抜ければ受賞している印象。2022年の『同志少女よ、敵を撃て』は直木賞にノミネートされています。
2/末警察小説新人賞小学館200~500枚300万
秋〆切だった警察小説大賞が終了、新人賞としてリニューアルしました。が、プロも応募可能のようですね(別名義でも刊行歴を書くように注意が出ています)。選考委員が四人となり、編集さんの顔が見えなくなったため、一般的なミステリの賞になったという感じです。東山さんが選考委員に入っているので、選評がちょっと楽しみですね。
2/末メフィスト賞講談社40×40で50枚以上
 「他の新人賞、過去のメフィスト賞に応募された原稿の再応募、改稿応募は規定外」です。単行本、講談社ノベルス等で刊行しますとのことですが、ここ最近は単行本ばかりのような。
 2022年の上半期は豊作だったようで受賞作が出ましたし、連絡してみるという話までありました。
 応募数がとにかく増えています。
3/31ミステリーズ! 新人賞東京創元社30~100枚30万
ミステリの短編としては、これと双葉社の『小説推理新人賞』くらいかと。ミステリ好きにうけるミステリ小説ならここしかないと個人的には思います。新しさと突き抜けた何かがあることが必須。といっても、短編なので本になるまでが一苦労。ちなみに、『戦場のコックたち』の作者深緑野分さんはここ出身。
3/31新潮ミステリー大賞新潮社350枚以上300万
 まだ歴史は浅いですが、新潮さんは新人賞を作ってはリニューアルするので通常運転。いまのところ、コレといった代表作家さんはいらっしゃいません。3月はノンジャンルの激戦月で、5月にはこのミス大賞もあるので、ミステリ志望作家さんのマークがもしかしたら薄いのかも。
5/10日本ミステリー 文学大賞新人賞光文社350~600枚500万
 主催は光文文化財団です。個人的には乱歩賞に似ている印象を持っています。第19回の『星宿る虫』はSFで驚きましたが、ストーリー展開やテーマはどちらかといえば古い印象があります。第25回は『青い雪』と『クラウドの城』と2作同時受賞。
 売れそうというより、良質なミステリが受賞しているように思います。
5/10ばらのまち福山 ミステリー文学新人賞福山市350~800枚
 地方文学賞ですが、本になります。そして、2冊目を出す作家さんが非常に多い。本格を愛する島田荘司さんが全面プロデュースしている印象が強いです。 本は中央の出版社から。講談社、光文社、原書房など、本格を育ててきた出版社が協力しています。
5/31「このミステリーが すごい!」大賞宝島社40×40/100-163枚1200万
 大賞は1200万、優秀賞が200万。賞金が凄すぎる賞。そして、受賞作が多い賞として有名。大賞、優秀賞に加え、隠し球まであります。選考委員の偏愛を受けたら受賞できる「隠し球」。選考委員が作家ではなく、書評家で、下読みさんの選評までサイトにアップされます。 話題になった作家、ドラマ・映画化された作品も多く、今では冬の乱歩と夏のこのミスに育った感が。乱歩賞とはまったく違う賞という印象です。
8/末メフィスト賞講談社40×40で50枚以上
 「他の新人賞、過去のメフィスト賞に応募された原稿の再応募、改稿応募は規定外」です。単行本、講談社ノベルス等で刊行しますとのことですが、ここ最近は単行本ばかりのような。
 2022年の上半期は豊作だったようで受賞作が出ましたし、連絡してみるという話までありました。
 応募数がとにかく増えています。
9/30橫溝正史ミステリ& ホラー大賞角川書店40×40/50-175枚500万
 橫溝正史ミステリ大賞と日本ホラー小説大賞が一つになりました。2018年に第1回が行われたばかりで、まだまだ情報の少ない賞です。広義のミステリ小説、又はホラー小説となっているので、ミステリとホラーが融合した作品である必要はありません。しかし、「日本ホラー小説大賞」を取った『黒い家』(貴志さん)などは、ミステリといってもいい内容でした。選考委員がミステリよりなのに、受賞しているのはホラー系の印象が強いです。ミステリ作家さんだから厳しくなるとか?
9/30黒猫ミステリー賞産業編集センター200-500枚程度50万
2022年に第1回が行われます。
本文8万~20万字程度。400字詰め原稿用紙換算で200~500枚程度。程度なので、比較的ゆるい賞なのかもしれません。第1回が出ないことには方向性もわかりませんが、「
広義のミステリー小説(ホラー、SF、時代小説などの要素を持つものでも可)」とあるので、今の流行りどころをきっちり押さえている印象です。
9/30論創ミステリ大賞論創社350-550枚程度100万
 どちらかといえば人文系の出版社な印象です。50周年記念での募集なので、2022年のみと考えられます。
 ミステリーを数多くだしているわけではないため、数が少なく狙い目の賞となる可能性も。または、使い回し応募が多数送られる可能性もあるのではと思います。
 ただ記念事業のため、受賞者に対して手厚いフォローがあるかもしれないですね(もちろんないかもしれない)。
10/31鮎川哲也賞東京創元社40×40/90-162枚
 本格小説を出すならここしかないと思います。『屍人荘の殺人』が話題になりました。新しい本格が求められています。密室、クローズドサークル、フーダニットなどなど、みんな本格が好きなんです。ただ、従来の本格を踏襲するだけでは話題になりません。なにか新しさを出しましょう。
11/30小説推理新人賞双葉社80枚以内100万
 短編賞なので、応募しやすいかもしれません(短すぎて逆に難しいという説も)。短編賞なので、書籍デビューの確約はありません。湊かなえさんや小林由香さんなど、デビュー書籍が大きな話題になった作家さんもいらっしゃいます。短編小説が人気なので、短編の書き手さんは望まれています。短編が得意な方はまずここを狙いましょう。

随時の賞

出版社枚数賞金
随時星海社FICTIONS新人賞海星社300枚以上 不定
 随時としていますが、当面は年3回、4月、8月、12月で〆切って座談会に持って行くようです。星海社FICTIONSのすべての売上げから1%を賞金としています。前年度の賞金は出版社のwebページで確認できます。応募する方は座談会をwebに掲載されている座談会を参考に!