Web投稿サイトからの書籍化について思うこと。メリットとディメリットも。

2020年1月19日Web小説・書籍化

最近では、公募に出さずにWeb投稿サイトのみという作家さんも増えました。もちろん、公募とWeb投稿サイトを両立させている方も多くいらっしゃいます。公募オンリーで、1次、2次あたりには安定して残っているような方が、Webからの書籍化を狙ってWeb投稿サイトへシフトするようなケースも増えました。

Web投稿サイトからの書籍化を目指す理由は?

Web投稿サイトからの書籍化を目指している方の中には、

・公募の選考が信頼できない
・Web投稿サイトから書籍化する作品が多い
・公募を受賞しても受賞作がヒットしていない
・書籍化作品が売上ランキング上位にいる

と考えている方がけっこういらっしゃるような?

間違ってはいないんですよ、たぶん。とくに最近のラノベランキングは、Web投稿サイトの書籍化作品がしめているというのは本当の話。反面、公募で受賞しても、受賞作が1巻打ち切りになるケースも多い。

Web投稿サイトから出た方がよくない?と考える作家志望者さんが増えるのも当然です。

Webからの書籍化の難しさ

個人的には、Web投稿サイトから出るほうが「おいしい」と考えるのは正しいと思っています。ラノベ新人賞からヒット作が生まれにくい今、書籍化のチャンスも多いWeb投稿を行うのは当然だとも思っています。

ですが、Web投稿サイトから現ランキング上位陣のような作品(オーバーロード、本好きの下克上、リゼロなどなど)が、今後もコンスタントに出てくるかは疑問視しています。

理由は次の2つ

・なろう黎明期に書籍化し、現在も続いているような作品というのは、やはりレベルが高かった。

・異世界転生・転移ばかりがランキング上位にいて、それ以外の作品に光が当たりにくい。ほぼやり尽くされた感があるので、異世界転生・転移の新機軸が出るのか疑問視。

また、個人的に確かめたわけではありませんが、ポイントの入れ合いや複合アカウントでの、ポイント操作が行われているという噂もあります(なろうよりも新規サイトのほうが多いとか?)。こうなってくると、レベルの高い作品が表に出てくるのかさらに疑問視してしまいます。

俺TUEEEも、ハーレムも、異世界も否定はしません。面白い作品はたくさんあります。が、昔ほど(よい意味で)話題になる作品が減ってきているのは事実だと思います。

今後Webからの書籍化で大ベストセラーを出すには?

作者さんは「よい作品を書くこと」がなにより大事ですよね。可能であれば、

・異世界転生・転移の新機軸作品を出す!
・異世界転生・転移以外の新しい流行を出す!

この2つのどちらかが出てきて、作品が評価されることを願います。

あとは、編集者さんたちに、そろそろ異世界転生・転移以外の作品から、よい作品を引っ張り上げて流行を作ってもらえないかなと思うのです。忙しいのだろうし、時間もないのだろうけれど、そこはいろいろ使えるものもあるんじゃないかと思うんです。お願いします。おもしろい作品が読みたい!

Webからの書籍化メリット

大長編やシリーズもので勝負ができる!

新人賞では1巻完結の物語を書かなければいけません。しかし、Webでは大長編で勝負ができるのです! リゼロは、個人的には1巻だけなら面白さ半減の作品だと思っています。長編として(シリーズものとして)書かれたからこその超傑作になった作品だと思っています。

レーベルカラーを考えなくてよい!

レーベルカラーは絶対にあると思います。好きなものを、好きなように書いて、書籍化の可能性を探ることができるのはメリットです。

読者がつけば正義!

下読みさんや、編集者さんに理解してもらえなくても、読者がつき、少数の編集さんがかってくれれば書籍化できる。

Webからの書籍化ディメリット

書籍化しても次に繋がるとは限らない!

1巻打ち切り後、次を出すためにはまたWebサイトで連載をして読者を集めなくてはいけない。実際、書籍化作家さんから聞いた話では、

・売れなければ続きは出せない
・2作目は保証されていない
・編集さんがついて、次を指導してくれるとは限らない

と聞いています。

1冊出したあと、評判がよくなければ続きを出せないというのは、ラノベ新人賞でもある話です。それでも、担当さんがついて、次のプロットを見てくれたりするのかな?(作家さんのTwitterなどを見ていると)

が、次作以降は、「また連載して評判がよかったら書籍化を検討しますね」的なもので、ランキングなり、ポイントなりをつむ必要があると。

公募新人賞に出しにくい!

そもそも、「新人に限る」とある公募の賞には出せなくなります(少なくとも、書籍化作品がありますけれどと問い合わせる必要はあるはずです)。

プロアマ問わずという賞も多くなったので、そういう賞を狙えばいいのかもしれませんが、書籍化してしまうと、下手に新人賞に出して一次通過、二次落ちなどをするとダメージが大きいかもしれません。ついでにいえば、新人賞では「書籍化しているのか、プロか」という目で見られるようです。これがプラスに働くのか、マイナスに働くのかは今ひとつ読めません。

Webから書籍化した大ベストセラー作品の共通点

新しさが大事

・テンプレ、だけど新しい
・新ジャンルを樹立

全部が当てはまるとはいいません。が、だいたい「新しい」んですよ。テンプレを踏襲していながらなんらかの新しさがあるか、とにかく新しいか。そのどちらかであることが多いです。

テンプレは悪いことではありません。安心して読めるというメリットがあります。それをうまく活用している作品は強いと思います。そこへ「他にはない要素」が入ってくれば売れて当然なのかもしれません。
また、新ジャンルを作り上げるような作品は、超弩級のヒットになるケースがほとんどです。

テンプレ、だけど新しい/転生したらスライムだった件(なろう)
テンプレ:異世界転生、チート
新しい:スライム
書籍化でだいぶ手直しされて、Web版より遙かに面白くなった気が。買って読もうとなるよね。

新ジャンルを樹立/ソードアートオンライン
(個人サイトで公開、またデビューは新人賞経由ですが)
テンプレ:チート
新ジャンル:VRMMORPG(ゲーム世界へダイブ)

新機軸を樹立/オーバーロード
テンプレ:ゲーム世界に転移、チート
新しい:主人公は悪役
書籍化でストーリーまで改訂。Web版読んではまれば、結局書籍を手に取ることに。

(全てではないけれど)大長編としての体勢が整っている

そもそもが長編という作品も多く、刊行が始まって、売れれば一気に出版できます。なにより、すでに長編として完成しているので、面白さが安定している(刊行途中につまらなくなったりしないと保証されている)。

まとめ

個人的感想をつらつら書いてみました。

1冊だけでいいから書籍化したいのか、売れっ子ラノベ作家になりたいのかで、戦略を変える必要はあるのかなと思います。売れっ子ラノベ作家になりたいのであれば、後追いではなく、なんらかの「目新しさ」と、「大長編を書ききる構成力」が必要な気がしています。

おもしろい作品が読みたいです。